2015年12月24日木曜日

大学と民間等との共同研究制度の沿革(1)

 今回から5回にわたり、大学と民間等との共同研究制度をめぐる当時の社会情勢などについて解説してまいります。

 画像は、左側が文部省が作成した初期の共同研究契約書様式参考例、右側が省庁再編後の文部科学省が作成した改訂版の様式参考例です。いずれもその一部を抜粋したものです。初期のものは、1992(平成4)年ごろから2001(平成13)年ごろにかけて参考にされてきた様式、改訂版は、2002年以降に使われ出した様式と思われます。

 200116日は、省庁再編によって文部科学省が発足した日であり、同年は、第2期科学技術基本計画が制定され、大学発ベンチャー育成施策が盛り込まれた年でもあります。

 共同研究には、(1)大学と企業の間、(2)大学と大学の間、(3)企業と企業の間、と、いくつかの組み合わせがあります。文部省及び文部科学省が共同研究契約書参考様式作成に当たり想定したのは、主として(1)大学と企業の間、についてです。

 共同研究というのは1992年以前はなかったのかといえば、そうではありません。
 1983(昭和58)年に、大学と民間等との共同研究制度が発足しています。

 1987(昭和62)年になると、大学に共同研究センターを置かせるための整備が開始されました。当時の共同研究センターの名称は、ほぼ一律で、○○大学地域共同研究センターとなっていました。この当時、大学と企業との共同研究というのは、専ら大学が置かれている都道府県内の中小企業・小規模事業所との共同研究を文部省は推奨していたことがうかがわれます。

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